たまにはソフトの紹介を。
ハンナ
ケミカルブラザーズが音楽を担当しているというのに、冒頭は全く音楽がない。静寂な雪と氷に囲まれた北欧の森の中が十数分続いた後、物語が動き始める瞬間に突如として強烈なシンセベースから始まるエレクトロミュージックがサラウンドに広がっていく。この強烈な音楽が始まるまでの静寂がここから展開される物語に華を添えるにくい演出なんだと思う。
そして前々から思っていたんだけど、テクノ系のアーティストにはどんどんサラウンドの表現フィールドを与えた方が良い。そして消費者はそれを享受した方が良い。SEを活用しつつ2chステレオからサラウンドと広がったフィールドに余すところなく音源を配置していく。こんな表現をしている表現者の意図をちゃんと受け止めて楽しんじゃった方が良い。文化的に豊かになれる。
また、このハンナのログハウスが取り囲まれるシーンにおけるシンセベースをちゃんと鳴らせるかどうかで、そのシステムのサブウーファーのセッティングが充分かどうかを計る事が出来る。ちゃんとズーンと腹から揺すられる様な低音が出なければ、サブウーファーのセッティングに問題があるという事だ。何か滑っちゃってるとか何かしらロスがあるという事。さらに、そのちゃんと鳴らせたサブウーファーの音圧に余計な共振が起きないかどうかというところで、その部屋に余計な振動物があるかどうかというところも見分けることができる。照明の傘とかがビリビリいったりしちゃったりしてね。そういうのはこういう強烈な低音のみならず何かしらに悪影響を及ぼすものなので、これで見分けて共振するポイントを対策出来れば、より良質なオーディオ環境が造れるはず。
ちなみにこのコンテンツを自分がやるデモで使えるかどうか検討してたんだけど、ちょっと残虐なシーンがあったりとデモ的にナシな部分があったりするし、いわゆるオーディオファンにはちょっと突飛な感じになっちゃうという危惧があったので、いまだ使用していません。でもデモ前のセッティング時の確認には使ってたりします。ご参考までに。